固定資産の評価

固定資産の評価について、会社法は、その取得価額又は製作価額を付け、毎決算期に相当の減価償却することを必要とするものとして、原価主義の立場をとっている。
相当の減価償却とは、それぞれの資産について耐用年数と残存価額とを決定し、原価から残存価額を控除した額を耐用年数に応じて各決算期に計画的・規則的に配分することである。なお、固定資産に予測できない減損が生じたとき(災害・事故などを原因とする物質的減損と、新製品・新技術の出現などの機能的減損を含む)は、相当の減額をしなければならないものとしている。

また、固定資産のうち、のれんや投資に属する長期金銭債権や有価証券については特別の評価規定がある。

税法上の固定資産

法人税法上、固定資産は次のように定義されている。すなわち、「土地(土地の上に存する権利を含む。)、減価償却資産、電話加入権その他の資産で政令で定めるもの」(法人税法第2条第22号)。所得税法上の固定資産も大枠において同様である(所得税法第2条第18号)。

地方税法(昭和25年法律第226号)に定められた固定資産は、次のように規定されている。

1.固定資産 – 土地、家屋及び償却資産を総称する。
2.土地 – 田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野その他の土地をいう。
3.家屋 – 住家、店舗、工場(発電所及び変電所を含む。)、倉庫その他の建物をいう。
4.償却資産 – 土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を徐く。)でその減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうちその取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものを含む。)をいう。ただし、自動車税の課税客体である自動車並びに軽自動車税の課税客体である原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除くものとする。

減価償却

減価償却(げんかしょうきゃく)は企業会計に関する購入費用の認識と計算の方法のひとつである。長期間にわたって使用される固定資産の取得(設備投資)に要した支出を、その資産が使用できる期間にわたって費用配分する手続きである。英語で有形固定資産にかかるものをdepreciation、無形固定資産にかかるものをamortization という。